ビヘイビアの河又です。今日は、BI(Business Intelligence)の理想はセルフサービスBIにある、という持論を話してみます。セルフサービスBIとは、エンドユーザーが自分で自分の必要な情報を手に入れる前提のBI構成を指します。

「レポート作成担当者」は必要か?

以下の図は、私の考えるバッドパターンである「レポート作成担当者」がいる状態をイメージしたものです。経営層やマネージャーの方が、レポート作成担当者に作成依頼を出し、それを受領するパターンです。

このパターンは「セルフサービスBI」の対極にある状態ですが、多くの企業における現状のデータ分析体制はこれに当てはまるかと思います。

もちろん、これでも優秀な担当者がいて、分析量も多くない場合は十分にワークすると思います。でも、せっかくBIを入れるなら以下のような「セルフサービスBI」の状態を目指しましょう!

「セルフサービスBI」な状態とは

このパターンでは、レポート作成担当者に依頼を出す前に自分でBI上から必要なデータを得ることを前提としています。

この体制には以下のメリットがあります。

  • 分析依頼を出して待つ時間がなくなるため、迅速な情報取得が可能になる。
  • 試行錯誤も自由自在に行えるため、分析の手戻りという概念から開放される。
  • レポート作成依頼自体にかかる説明コストを削減できる。

最近のモダンなBIサービスの多くが、上記のようなセルフサービスBIの状態を理想として作られています。せっかくなので、これに乗っかっていきましょう!

セルフサービスBIだから、データアナリストが不要になるわけではない

では、セルフサービスBIならデータアナリストは不要になるのでしょうか?

上記の図ではそう見えますが、必要です。ただ、仕事の内容が少し変わってきます。セルフサービスBI時代のデータアナリストは、BIに対しビジネスデータを接続し、分析可能な状態に仕上げる「データスチュワード」と呼ばれる役目となります。データスチュワードが、以前の記事においても説明した「ETL」等の処理を担当します。これが正しく行われていれば、セルフサービスBIの利用者は安心して分析に専念できます。

優秀なデータスチュワードは、データをETLし分析可能な状態に仕上げるのみならず、セルフサービスBIの離陸に必要なレクチャー業務、サポート業務なども平行して行います。ビヘイビアのBIコンサルティングサービスも、そのような状態を目指しています。ビヘイビアでは、Microsoft Power BIを使ったセルフサービスBI体制の構築コンサルティングサービスを行っています。